今日はオルタナティブの王子様、
ベック。
曲はアルバム、シー・チェンジから
ロスト・コース。
失われた原因
と題打った
本作は
それまでダンサブルだったり
アヴァンギャルドだったりした
落ち着かないサウンドを
基調としていたベックが
初めて脆さを見せてくれた作品。
ぼくも大好きで
戦うことに疲れた
という本音が
ギター1本で綴られる
ダイレクトさが堪らない。
ベックは
サンプリング時代の謂わば寵児で
歌そのものより
その付随する編集感覚
は時代を覆いつくしました。
旧来のアティテュードや
メッセージに対して
頑なに挑んできた
頑固で無敵だった彼が
見せた弱音。
だからより一層感動したし
ある時代の区切りも感じます。
コード数が割と多いのですが
とても丁寧に作られているので
とても弾き易いです。
こんな素晴らしい曲ですが
あまり有名じゃないのが残念。
勝手なことを言うと
これ以降歌うテーマみたいなものを
失った気がする彼ですが
戦うソングライターとしての
大先輩。
その道のりにはたくさんの戦訓が刻まれていそうです。