2023年3月4日土曜日

一日一曲「いつもはこんな僕じゃない / ペット・ショップ・ボーイズ」

ペット・ショップ・ボーイズは

2週目で

曲はいつもはこんな僕じゃない


この曲が発表された

1993年、

僕はまだ中学生2年生で

もう、音楽に開眼した頃で

聴くのが楽しくて仕方がありませんでした。


日本のサンテレビという

地方局で

金曜日の23:00に

オンエアされていた

ソニーミュージックTVを

食い入るように観ていて

VHSに録画して編集して。


この

いつもはこんな僕じゃないも

何十回と観たし

大好きな曲です。


今はYouTubeで

2回ほどクリックしたら

見れてしまうのだから

夢のようです。


ミュージックビデオの

古いSFみたいな設定も面白いし


ペット・ショップ・ボーイズ印である

シンセサイザーの音も堪らない。


シンセの音を否定的に

捉える方も

いらっしゃいますが

CD同様

デジタルの無音というのも

ひとつの

普遍性がある気がします。


この曲の

イギリスのミュージシャン特有の

皮肉っぽいというか

聴き手に対する

冷めた距離感みたいなものが

素晴らしく

僕の

引き出しにはあまりなく

是非

やってみたいです。


コードは

基本的にマイナーとメジャーだけですが

アレンジが

ピアノっぽいというか

とてもふくよかで

再現したいのが

中学生のころの夢です笑


ペット・ショップ・ボーイズの

いつもはこんな僕じゃない。

でした。




2023年3月3日金曜日

一日一曲「インナー・ミート・ミー / ザ・ベータ・バンド」

1996年にスコットランドで

結成された

ザ・ベータ・バンド。


とてもユニークなグループで

宅録でした。


この宅録というもの。

"自宅で録音する"の意味で

1980年代中頃までは

バンドというものは

郊外の田舎のシャッター付きのガレージや

公園、

または音楽スタジオを借り切って

練習したり

アイデアを練ったり

するもので

裕福な家庭の持ち主か

またはお金が

すごく掛かるものでした。

けれど90年代初頭

楽器屋で

安価な値段で機材を揃えることが出来、

自宅の子供部屋で

バンドサウンドを

再現することが可能になりました。

僕もそういう出です。


言ったら

音楽を作るハードルが

ものすごく下がったんです。

誰でも作れるようになったし

それは革命だったと思います。


でも可能にしたのは

楽器屋さんであり

楽器を作る開発者。

僕も楽器屋に行くのが楽しくて仕方がなかった。


あともう一つ

ザ・ベータ・バンドで欠かせないのは

批評性。

イギリスには

音楽を批評する文化の歴史があって

雑誌で音楽することが

可能でした。

雑誌から音楽が生まれ

雑誌が新しい音楽ファンを

呼ぶ。

そういう羨ましい基盤があります。


確かにザ・ベータ・バンドは面白いし

このインナー・ミート・ミー

すごくいい曲。


けれどバンドが

2004年で終わってしまったのは

その人気が

希薄なものだったというのは

否めないと思います。


でもこんなどう考えても

売れそうにない音楽が

公共の電波に乗るところが

イギリスの面白さ。


歌詞もコードも

ネットに載せない

完璧主義な

姿勢が

大穴を狙うことが出来ますが

一過性の宿命も負ってしまうのかも

知れません。


ビデオも面白くて自由。

やってて目茶苦茶

楽しかったんじゃないでしょうか。


そんな時代の過渡期の大金星。

ザ・ベータ・バンドの

インナー・ミート・ミーでした。


2023年3月2日木曜日

一日一曲「スタンド・バイ・ミー / ベン・E・キング」

スタンド・バイ・ミー

1960年に

ベンの手によって書かれた楽曲。

20世紀初頭の詩集の


このゆえに、たとい地は変り、山は海の真中に移るとも、われらは恐れない


というラインにインスパイア

された本曲は大ヒット。

フィフティーズ進行と

呼ばれたコード進行は

そのまま

スタンド・バイ・ミー進行

と呼ばれるくらい

インパクトを残しました。


タイトルだけでノックアウトな曲は


自らを震い出たせ、

仲間を想い

と同時に

鎮魂歌でもあったわけですね。


この曲が沢山の人にとって

特別なものになったのは

やはり同名の映画であり

名作と名高いです。


僕としては

泣いてしまうだけの映画だし

時代も変わり

今ではこの切なさは有効だとは思いません。


けれどそれでいいと思うのです。


この映画で描かれている

美化された過去の悲しみは

色褪せていくべきだし

もともとの詩集の

詩は政治的な意味合いも

強く

仲間と鎮魂歌という意味合いだけが

フィーチャーされ

自己を震い出立す

という本来の意味が風化されているように思います。


けれど

独り立ちすることの

道程を知っている者にとっては

どうしても泣いてしまう映画ですよね。


ベン・E・キングの

スタンド・バイ・ミー。でした。




一日一曲「Rolling Star / YUI」

YUIは2週目で

前回のCHE.R.RYに

引き続き

Rolling Star


YUIが

所謂

日本の音楽市場に起こした

功績として

挙げられるのが

ライブハウスの音をそのまま

届けることに

成功した事だと思います。


もしかしたら

スタジオ音源ではそれは

叶わなかったかもだけど

彼女には

ライブというニーズがあって

そこで

彼女のファンに

アピール出来たのは

とても大きいと。


もともと路上での弾き語りから

始めた度胸や

そこでの音の拘りは

何事もライブハウスから始める

人たちには

到達出来ないと思うし

彼女の大きな武器でした。


人通りで勝手に演奏しやがって。。。


という辛辣な意見を

横目に

路上ライブの規模は

どんどん広がるでしょう。


恐らくこれから

許可制になって行くであろうし

その審査も厳しくなる筈。


けれど

寒い夜空の

澄んだ空気の音の中

鍛えられた

耳が

多くの

弾き語りチルドレンを生んだのだから

そこは迎合するべきでしょう。


そんな音の

Rolling Starは

オーソドックスなエイトビート。

イントロと中間部分などは

add9という崩したコードを使っているのですが

歌の部位は

メジャーとマイナーだけ。

それは

彼女が

ギターブックを覗き込んで

基礎から

学んだ事の表れ。


年輩の人の

耳にも届いたのはだからという事だと思います。


配信が主流の今

そんな耳が必要ではないでしょうか。

YUIのRolling Star。でした。


と、

昨日仮眠してから投稿しようとしたのですが

そのまま寝てしまったので

今日はもう一曲

取り上げます。

ではでは。



2023年2月28日火曜日

一日一曲「Z・刻をこえて / 鮎川麻弥」

今から15年以上前、

僕が

まだロック界で

天下を取ろうと思ってた時期

名曲を作れば

世界は変わるんだ

名声を得られるんだ

金持ちになれるんだ

と思っていた頃

当時組んでいた

相方は

現実主義で

まず楽器が下手だと

思われているのをどうにかしよう

コストを抑えて

動こう等に

アイデアを凝らしてた。


今だとそっちの方が

断然面白いのだけれど

軽くパラノイアだった

僕は

妄想して

それが上手く行ったときを

想像して

気持ちよくなっていた。


なにせ音楽というものが

全く分かっていなかった。


僕のパラノイアのネタも尽き出した頃

アニソンに活路を見出そうとして

TSUTAYAで

アニメのCDを借りて

MDにダビングした。


まだYouTubeが

なかった頃の話です。


その中に

アニメ

Zガンダムの主題歌

Z・刻をこえてがあって

この曲を歌えば

ヒーローになれるんだと

馬鹿な思い上がりに

浸っていました。


勿論音楽は好きでしたが

それ以上に

名声を得たかったのだと思います。


当たり前の話

相方は白けて離れてゆき

夢から覚めたときは

25歳で

何の社会的な蓄積もなく

放り出された時は

途方に暮れました。


Zガンダム言うてる

場合じゃなくなったんですね。


僕の妄想は

病的な物でしたが

失った20年間は

大きいです。


2度と戻りたくないけれど


その頃住んでいた宝塚は

どん底の記憶として

僕の引き出しに

入っています。


引導を渡される前の

最後の悪足掻き

となった

今ではもう

聴きたくない

アニソン。


その中の一曲、

鮎川麻弥さんの

Zガンダムの主題歌

Z・刻をこえて。

でした。



2023年2月27日月曜日

一日一曲「ワン / U2」

U2は3周目。

曲は

僕が詩を書く上で

重要な曲、ワン


U2の作る楽曲は

本人も公言している

通り

重さというものがあって

それは

それまでの

音楽に対する反動であったし

彼らの回答でもあったと思います。


デビュー時から

それは一貫していて

それが

所謂

金字塔となったものが

ワンだと思います。


僕が

最初に作詞に目覚めた

この曲の

残酷な真実というものが

美しかったし

セクシーでもありました。


もう遅すぎるんだ

今夜、光の中に過去を引きずり出そうとしても


というライン。


当時のシングルCDに付いていた

ライナーノーツに

"この詩の意味が分かる者はこの境地に達した者だけ"

とあり

ハタチそこそこだった

僕は

何度も読み

考え

その意味を知ろうとしました。


まぁ、言ったら

例えば野球選手が

40歳位になって

若いときにもっと真面目に

練習しておけば良かったと

気付いても

時既に遅し

ということではあると思いますが


理屈で分かっているのと

地で分かっていることは

違うということですよね。


作詩の

テクニックの一つに

敢えて聴き手が分からないことを

入れる

というのがあって

僕は散々それをやっていて

そうすることで

詩に闇というか

深みをもたらす事が出来るんですね。


謎掛けというか。


この曲は

それだけでなく

ディティールも洗練されていて

完成度が高い。


僕だけでなく

たくさんのミュージシャンに

とって

真摯な曲の

お手本になったと思います。


それまでの歌は

5分だったら

1番、2番、3番

とあって

サビは

全部繰り返しだったと思うのですが

この曲ではそれがなく

始まりから終わりに至る

本のような内容。


童謡等には

もしかしたら

近いものがあるかも知れませんが

商業的な

ポップミュージックの中では

初の試みで

見事に成功したと思います。


コードが

普通の曲なら

C→Aマイナー→F→G

となるところを

C→Aマイナー→F→C

Cで始まってCで終わるところも

あまり

見ないパターンです。


それまでのU2の経験全てが

凝縮された坩堝のような曲だと思います。


僕にもそんな曲が

作れる日が来るのだろうか

と思いながら

切磋琢磨する

U2のワン。

でした。



一日一曲「朝焼けの旅路 / Jackson Vibe」

先日、

YouTubeを

ネットサーフィンしていたら

ヒットしたのが

ジャクソン・ヴァイブの

朝焼けの旅路


2004年の

阿部寛主演の

テレビドラマ

アットホーム・ダッドの

主題歌になった曲。


僕もドラマ自体は

見ていなかったのですが

この曲は

聴いたことがありました。


すごくいいバンドだと思います。

ポップな歌だけど

確かな演奏技術もあるし

ダイナミックな訴求力もある。


いそうであまりいないタイプだと思います。


2004年と言えば

ぼくもライブハウスデビューしたころで

同じような空気を吸っていたのかなー

なんて思っちゃいます。


クラブクアトロや江坂MUSEなど

僕が手の届かなかった

ライブハウスを

はしごしてたのかな。

懐かしいです。


コードは基本的に

メジャーとマイナーだけの

よく出来た曲。


いつもはここで解説が

終わるけど

今回は

もうちょっと突っ込みたくて

イントロの

コード進行が面白くて

言うと

G→D→C→G7、G→D→C→G7

っていう流れで

ここのG7っていうコードが

普通はこの流れに持ってこなくて

ちょっとした違和感を覚えます。


普通だったら

G→D→C→D

って感じです。


言うなれば

寿司を食べるのに

ワサビではなくからしを

使ったような

そんな違和感。


旨いかどうかは分かりませんが

この引っ掛かりを

残すことで

すごく耳に残るんですよね。


計算かどうかも分かりませんが

CM業界では有名な話で

ぼくも最近知りました。


けれど

音楽の深い知識と

テクニックが無ければ

実現しない事で

特筆に値します。


ビデオクリップも

ちょっと謎めいていて

分かる人に分かってほしい

とのバンドの意地というか

足掻きを感じます。


活動の大きさは

比べ物にならないけど

同じ時代の空気を吸ったバンド。


今はどうしているのでしょうか。


ジャクソン・ヴァイブの

朝焼けの旅路。

でした。